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住宅ローン問題解決コラム
解決策競売

競売後の自宅にはいつまで住める?明け渡し命令・強制執行は拒否できる?

競売後の自宅にはいつまで住める?明け渡し命令・強制執行は拒否できる?

住宅ローンを滞納した状態を放置していると、最終的に自宅は競売(=自宅の強制売却)にかけられてしまいます。

【重要!】競売は自宅所有者にとって非常にデメリットが大きく、住宅ローン問題を抱えている状態ではもっとも警戒すべき事態です。

適切な対処ができず競売の入札が始まってしまうと、もう後戻りはできません。

本記事では、もし競売が実施されてしまったら「いつまで自宅に住めるのか」や「裁判所からの明け渡し命令や強制執行は拒否できるのか」について解説していきます。

※本記事は「自宅を競売にかけられてしまった方向けの記事」です。競売により住宅を購入された方向けの記事ではございません。ご了承ください。

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競売開始決定通知書は落札が決まったわけではありません!

競売開始決定通知書は落札が決まったわけではありません!

住宅ローンで悩んでいるの方にぜひ確認していただきたいのが、今現在のご自身が置かれている状況です。

実は住宅ローンを支払えなくなったからといって、すぐに競売が実施されるわけではありません。

競売が実施されるまでにはかなりの時間がかかり、住宅ローンの滞納を開始してから約1年を要します。

重要なのは「競売までの緊急度」を見誤らないことです。

よくあるのは「競売開始決定通知」を受け取り、もうだめだと諦めたり、自暴自棄になったりするケースです。

この書類は、あくまで「裁判所が競売手続きに入ることを決定した」というだけの通知ですので、まだまだ競売は十分に回避できます。

この書類が届いた時点では、まだ競売が実施されたわけでも、競売の実施が確約されたわけでもありません。

この通知を受け取ったあとに、競売に向けての具体的な準備を半年ほどかけて進めていきます。

まだこの段階でしたら競売の回避はできますので、どうか諦めないでください。

ケースごとの最適な解決策をご案内しますので、ぜひ住宅ローン問題を専門に取り扱う当法人にご相談ください。

【参考】競売の進み方(タップで拡大できます)


競売の流れ

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競売を回避して任意売却での売却を目指しましょう

通常、住宅ローンを滞納している自宅売却額より住宅ローンの残りが多い自宅は売却できません。

このようなときは特殊な不動産売却方法である「任意売却」を利用します。

任意売却とは「何かしらの事情で住宅ローンが返済できないときに自分の意思で自宅を売却する方法」です。

債権者(=金融機関など)からの合意をもらい特別に自宅を売れる状態にしてもらいます。

通常の不動産売却とは異なり、「不動産売却」「住宅ローン債務の清算」をあわせて行うのが特徴です。

この任意売却を利用すれば、競売にかけられそうな住宅でも自宅の持ち主にとってより有利な条件で売却できます。

▼任意売却の仕組み(タップで拡大できます)

任意売却の特徴

任意売却のメリット

任意売却のメリットを簡単にまとめてみました。

【任意売却のメリット】

  • 競売より売却相場が高い
  • 手元にお金がなくても実行できる
  • 引っ越し費用がもらえる可能性
  • プライバシーが守られる
  • 自分の意思を反映できる

このようにメリットは多くありますが、中でも競売との大きな違いが「売却相場」です。

任意売却が市場価格の8~9割程度で売れるのに対し、競売では市場価格の5~6割程度にしかなりません。

これでは売却金で住宅ローンを返済したあとも多額の残債が発生してしまいます。

具体的に金額にどれくらいの差が出るか確認してみましょう。

売却価格のシミュレーション

Aさんには住宅ローンの残債が2000万円あり、税金も20万円滞納しています。

▼売却シミュレーション(タップで拡大できます)

任意売却シミュレーション

まず任意売却と競売では自宅の売却価格に大きな差が出ているのがわかります。

ほかにも、任意売却なら滞納している税金を控除でき、引っ越し代も出ているなど、競売にはないメリットが多くあります。

残債は発生してしまったものの、残り500万円と大幅に圧縮できたため新生活への影響も少ないでしょう。

このように売却シミュレーションを見ると、金銭面での任意売却の有利さがより伝わるかと思います。

住宅ローンを貸している金融機関にとっても、回収額が大きくなる任意売却にはメリットがあります。

任意売却に強い当法人ではこういったメリットを具体的に金融機関に説明し、任意売却の同意が得られるように働きかけていきます。

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▼任意売却についてはこちら

競売についておさらい

競売についておさらい

もし競売に進んでしまった場合の不利益デメリットも確認しておきましょう。

競売とは、金融機関が貸したお金が返済されないときに行う強制的な資金回収です。

住宅ローン設定時に、自宅には「抵当権」が設定されています。

住宅ローンの返済が滞ると、金融機関はこの抵当権を行使して住宅を強制的に売却し、貸していたお金を回収します。

競売を主導する裁判所では以下のように説明されています。

1 不動産の競売手続とは

不動産の競売手続とは,債権を有している人(債権者)の申立てにより,裁判所が,債務を弁済することができなくなった人(債務者)の所有する不動産を差し押さえて,これを売却し,その代金を債務の弁済にあてる手続です。

引用:裁判所-競売不動産の買受手続について

▼競売の仕組み(タップで拡大できます)

競売の特徴

競売のデメリット

競売のデメリットは、任意売却のメリットの逆と考えればわかりやすいでしょう。

【競売のデメリット】

  • 市場価格より売却相場が低い
  • 引っ越しスケジュールなどの配慮が受けられない
  • 引っ越し費用は一切でない
  • 競売の事実が周囲に知られてしまう可能性が高い(情報が公開される)
  • 売却後も残債の厳しい返済が続く

競売になってしまうと、引っ越しスケジュールへの配慮や引っ越し代の付与など、任意売却では受けられるメリットが受けられません。

金銭面、条件面のデメリットが大きいだけでなく、プライバシーが損なわれる点についても注意が必要です。

競売では準備の過程であなたの自宅の住所や室内写真がインターネット上で広く公開されてしまいます。

場合によっては、近所の方にバレて好奇の視線に晒されてしまうかもしれません。

住宅ローン問題を抱えている方はすでに精神的に辛い思いをたくさんされていることでしょう。

精神面でこれ以上のストレスを受けずに住宅ローン問題を解決したい場合は、圧倒的に任意売却の方が有利です。

▼任意売却と競売の比較(タップで拡大できます)

任意売却と競売の比較

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競売落札後はいつまで自宅に住める?

競売落札後はいつまで自宅に住める?

残念ながら適切な対応を取らず競売が実施されてしまった場合、自宅にいつまで住んでいられるのでしょうか?

おおまかな流れとしては、競売落札後、早ければ2ヶ月ほどで自宅から強制的に追い出されてしまいます。

【注意】

本記事では残り時間を2ヶ月と仮定し解説しています。
実際のスピードは個別のケースごとに変わってくる点にご注意ください。

強制退去までの流れ

競売入札が済み買受人が代金を納付すると、この時点で自宅の所有権は買受け人に移ります。

つまり正確にはもうあなたの「自宅」ではありません(便宜上、本記事はこのまま自宅と記載して説明を続けます)。

その後、買受人は裁判所に対して物件の引き渡し命令の申し立てを行います。

裁判所がこれ認めると債務者の自宅に引き渡し命令書が届きます。

入札終了からここまでで約2週間です。

引渡し命令の確定後は強制執行の申し立てが可能となるので、まだ債務者が居座っているようであればこの手続きがとられます。

申し立て後しばらくして、債務者宅に裁判所の執行官が訪れ、明け渡しの催告を行います。

入札終了からだと約1ヶ月後に明け渡しの催告が行われるスケジュール感です。

さらにその1ヶ月後に強制執行を行う旨を宣告され、その時期が来ればとうとう家を追い出されることになります。

これで入札が終わってから2ヶ月程度経つ計算になるので、最長で2ヶ月程度住んでいられることになります。

▼詳しい流れはこちらの記事で解説しています

早期に退去すれば落札者から退去費用が出るケースが稀にある

買受人としても、強制執行を行うのは手間も時間もかかるため避けたいです。

そこで稀ではありますが、速やかに退出に応じればいくらかの引っ越し費用がもらえるケースもあります。

もし強制退去になると荷物の運び出しやカギの付け替えはいったん買受人が負担します。

もちろん費用は自宅の所有者が支払うものですが、いったんは立て替える必要があり、こういった手間を嫌がる買受人も多いです。

そこで、早期退去に協力してもらうためにいくらかの引っ越し代を渡そうと考えるわけです。

このような打診を受けた際は素直に応じた方がお得でしょう。

【注意】

こうした落札者は最近減っているので過度の期待は禁物です。
申し出があればラッキーくらいに思っておく方が無難です。

落札決定後は速やかに引っ越し準備をしましょう

落札決定後は速やかに退去手続きを始めるほうが、自宅の持ち主にとっても良いです。

ムダに居座って抵抗したとしても、結局は強制退去させられるだけです。

そうなるよりは、少しでも早めに退去に向けて動き出し現在の収支にあった賃貸住宅を探したほうがいいでしょう。

通常、引っ越しとは現在の拠点(自宅など)がある状態で行うものです。

強制退去後の宿無し状態では物件選びもままなりません。

速やかな退去準備は自分自身のためにもなると認識しておきましょう。

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強制退去は拒めないの?

強制退去は拒めないの?

仮に「強制退去になってもいいから最後まで抵抗してやる!」と徹底抗戦を仕掛けたらどうなるでしょうか。

ここまで頑なに退去を拒む人はあまりいないと思いますが、そのような対応を取った場合どのような過程をたどるのか見ていきます。

強制退去は拒めない

強制退去については裁判所のサイトにも以下のように記載されていることから、抵抗しても拒めないことがわかります。

(4) 不動産の引渡し(引渡命令)

(前略)買受人は執行官に対して,その裁判で相手方とした占有者等を強制的に立ち退かせる強制執行の手続を求めることができます。

引用:裁判所-競売不動産の買受手続について

法治国家である日本では、きちんと法的根拠をもって強制執行の手続きを進めています。

競売も法律通りに進められますし、強制退去処分も民事執行法に基づき行われています。

所有権が落札者に移った時点で居座っている人は不法占拠の状態なわけですから、どう考えても抵抗はムダです。

自宅に執行官、鍵屋、運び出し業者がやってくる

強制執行の申し立てがされると事前に裁判所の執行官がやってきて、明け渡しの催告(=一定の行為を要求すること)を行います。

この催告時に荷物の運び出し業者カギ業者などもやってきて見積りをとっていきます。

強制退去当日も同じメンバーがやってきて、実際に強制的なカギの解錠や荷物の運び出しが行われる流れです。

執行官はどんな人?

執行官は裁判所の職員で、決定事項に従わない人を強制的に従わせる強い権限が与えられています。

執行官

執行現場では,債務者等の抵抗に遭うこともあるため,執行官には,その抵抗を排除するために,自らの判断で警察の援助を求めることができるなど強い権限が与えられています。

引用:裁判所-執行官

このように執行官は自分の判断で警察の助けを呼べるなど強い権限をもっているため、抵抗しても最終的には警察を呼ばれて騒ぎになるだけです。

室内の家具等は一定期間保管された後に処分される

強制執行によって運び出された家具や家財は、裁判所の管轄下にある倉庫に一時的に保管されます。

概ね1ヶ月以内に引き取りに行かないと、売却または廃棄処分されることになっています。

自分で引き取りにいくとしてもトラックの手配などでお金がかかり、費用の工面に困るでしょう。

最後まで徹底抗戦したとしても、待っているのは自宅からの強制退去と家財道具の運び出しだけです。

強制退去への抵抗はまったく意味がありません。

短期賃貸借制度を悪用した占有はもうできない

かつては競売物件の明け渡しに徹底抗戦し、退去の見返りに金銭を要求する事例が見られました。

これは以前にあった「短期賃貸借制度※」を悪用した方法であり、反社会勢力などがこれを利用していました。

※抵当権の登記がなされた後に結ばれた短期間の賃貸借契約がある場合には3年間占有を続けることができる制度。

このような制度の悪用者は「占有屋」と呼ばれ、社会問題になったため現在では短期賃貸借制度は廃止されています。

現在はこのような方法で自宅に居座ることは当然ですができません。

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自宅から退去したあとはどこに住む?

自宅から退去したあとはどこに住む?

自主的であれ強制的にであれ、競売で家を取られてしまったら自分や家族が住める新居を探さなければいけません。

多くのケースでは「親族宅」「賃貸物件」に引っ越します。

事情を理解してくれる親族がいるようでしたら、生活が落ち着くまで身を寄せるといいでしょう。

そうでない場合は、自力で賃貸物件を見つけないといけません。

自分の仕事や家族の環境にあわせた住宅を選ぶにはある程度の時間がかかるため、早めに動き出しましょう。

家賃や引っ越し費用が出せない場合は、生活保護の申請も検討してみてください。

競売後の自宅探しについては下記の記事で詳しく解説しています。

▼競売後の暮らしについて

任意売却なら引っ越し時期などの融通が利きます

このように競売が開始され、落札されてしまうとどのような抵抗も無意味です。

辛い思いをせずに心穏やかに住宅ローン問題を解決するには「任意売却」の利用を検討してみてください。

任意売却なら買い手と売り手の立場はほぼ平等で、ある程度買い手の意思を反映させられます。

事前にお願いすれば引っ越しスケジュールなどで配慮が受けられる可能性があります。

金銭的にも高値での売却が期待できるため、新生活のゆとりにもつながるでしょう。

任意売却という方法があることを知っていると知らないとでは、その後の人生が大きく違ってきます。

みなさんは当サイトをご覧になって競売の怖さや任意売却の利点を十分にご理解されたはずです。

任意売却で前向きな住宅ローン問題の解決を目指してみませんか?

▼競売のデメリットを再確認

競売のデメリット

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よくある質問FAQ

Q1:任意売却後、いつまでに引っ越しが必要ですか?(+タップで開く)
A:転居時期は買い手との相談にもなりますが、売買契約後1~2ヶ月ほどで引っ越し先を見つけていただき転居、というのが目安です。

Q2:いつまでに相談すれば任意売却に間に合いますか?(+タップで開く)
A:住宅ローンの返済が厳しくなったら、1日でも早くご相談ください。より良い条件で自宅を売却できる可能性が高まります。

裁判所から「競売開始決定の通知書」が届き、実際に競売の落札者が決定するまでは、まだ間に合います。

まとめ:競売による強制退去になる前に任意売却をしましょう

競売入札が終わると、自宅の持ち主が自宅に住んでいられるのは約2ヶ月程度です。

その2ヶ月についても、退去要請を受けて肩身の狭い思いをしながらの生活になります。

辛い状況ではありますが、自分自身のためにも買い手が代金を納入し所有権が移ったら、速やかに転居活動を開始した方がいいでしょう。

競売が実施されてしまったあとはもうどうすることもできません。

多くの不利益を受けるまに、ぜひ任意売却を検討してみてください。

当法人ではこれまで多くの住宅ローン問題を解決してきました。

競売間近となって時間的な余裕がないケースでもあきらめずにぜひご相談ください。

住宅ローン問題の99%は解決できます。

一緒に「あるべき暮らし」を取り戻せるように解決策を考えていきましょう。

▼任意売却なら解決費用も安いです

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本記事の監修者

司法書士・宅地建物取引士・AFP

司法書士法人ハート・トラスト司法書士 岩永 加寿美
司法書士法人ハート・トラスト司法書士
岩永 加寿美

福岡大学法学部卒。株式会社サンリオ勤務中に司法書士試験を目指し、平成13年司法書士登録・個人事務所開設。令和2年M&Aにより司法書士法人ハート・トラスト福岡オフィス所長に就任。

趣味は、食べ歩きと収支を合わせるためのマラソン、筋トレ。

■参考:法人カード調査部|法人向けクレジットカードのお悩みはこちらで解決

 
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